明治11年に博多の櫛田前町(現冷泉町)に生まれ育ち、没年の昭和33年まで数百点の大絵馬を描いた絵馬師・吉村百耕。
昭和30年代までの日本では、地域の人たちがお金を出し合って厄除け、安全・健康・長寿などの共通の願いを叶えてもらうために、大絵馬を神社に奉納する習慣がありました。
そしてその庶民の願いを託されて絵馬を描く絵師の事を「絵馬師」と言い、福岡県福岡市の博多にいた最後の絵馬師が百耕だったのです。
百耕の200面近い大絵馬は、櫛田神社・筥崎宮・警固神社・鳥飼八幡宮・飯盛神社・桜井神社など、福岡県下の数多くの神社に現存しています。